先行パイプライン:スタチンhAP細胞

先行パイプライン:
スタチンhAP細胞

当社では現在、高脂血症治療剤として知られるシンバスタチンを低分子薬剤としてPLGAナノ粒子に封入し、さらに脂肪由来間葉系幹細胞に抱合したhAP細胞(スタチンhAP細胞)の開発を進めております。

シンバスタチンはコレステロール生合成系の律速酵素であるHMG-CoA還元酵素を阻害することにより血中総コレステロール量を低下させますが、その一方で抗炎症作用や血管新生促進などの様々な生物学的作用も報告されております。

シンバスタチン放出量の測定

シンバスタチン量の測定
シンバスタチン量の測定

スタチンhAP細胞では、抱合されたシンバスタチンが脂肪由来幹細胞から徐放されることが報告されており、脂肪由来幹細胞はドラッグデリバリーシステム(DDS)として機能します。

【データはSTEM CELLS TRANSLATIONAL MEDICINE 2019;8 1055-1067より引用】

シンバスタチンを封入したPLGA粒子の比較

また、シンバスタチンを封入したPLGAナノ粒子により、損傷部位の治癒に係る遺伝子の発現が脂肪由来間葉系幹細胞で高まることが報告されており、シンバスタチンによる脂肪幹細胞機能の増強が期待できます。

【データはSTEM CELLS TRANSLATIONAL MEDICINE 2019;8 1055-1067より引用】

FGF2
IGF-1
シンバスタチンを封入したPLGA粒子の比較
シンバスタチンを封入したPLGA粒子の比較

マウスによる心筋再生効果の検証

これまでのマウス心筋梗塞モデルによる検証では、脂肪幹細胞単体を投与した場合と比べ、シンバスタチンによる相乗効果によると思われる心筋再生を示す結果が出ています(下図参照:青色に染められた領域は線維化されていることを示しており、赤色に染められた領域は細胞が存在することを示している。心筋再生効果はスタチンAP細胞投与群でのみ認められた。)、(特許081329:当社独占的実施権保有)。
これらのデータを踏まえ、現在有効な治療法が確立されていない重症心不全を伴う心筋梗塞後患者に対する再生医療製品として、スタチンhAP細胞の開発を進めています。

【データはSTEM CELLS TRANSLATIONAL MEDICINE 2019;8 1055-1067より引用】

マウスによる心筋再生効果の検証
マウスによる心筋再生効果の検証
マウスによる心筋再生効果の検証

将来的展望:hAP開発プラットフォーム構想

hAP細胞は封入する医薬品と抱合させる細胞の組み合わせにより様々な疾患に対する治療法を提供することが期待されています。例えば、有効性は十分に発揮されるものの、毒性の懸念があるため開発が中止された低分子化合物などをhAP細胞へ組み込むことで医薬品として新たに開発が進められる可能性があります。当社ではクライアント様の意向に沿ったhAP細胞の受託・共同開発も行っております。

ご興味を持たれた場合、まずはお気軽に問合せ下さい(お問い合わせ内容によっては、秘密保持契約を締結させて頂く可能性がございます)。

封入する医薬品と抱合させる細胞の組み合わせによる無限の可能性
封入する医薬品と抱合させる細胞の組み合わせによる無限の可能性
封入する医薬品と抱合させる細胞の組み合わせによる無限の可能性
封入する医薬品と抱合させる細胞の組み合わせによる無限の可能性

①クライアントの希望に沿って医薬品を選択、PLGAナノ粒子へ封入
②対象疾患に応じて適切な細胞を選択肢、PLGAナノ粒子を抱合
③あらゆる疾患に対する再生医療製品を提供

受託・共同開発に関するお問い合わせはこちらまで。

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